毎年一度はサトイモにカビが生えたとクレームで返品になります
比較的温暖な時期はけっこう頻繁に生鮮野菜が腐っていたり、カビが生えた、返品されて来たり、返金したりしています(すみません)。不良品には気を付けていますが、野菜も生きていますし、ばい菌も生きていて暖かいと活発なので刻一刻と状況は変化していっています。
しかし、一方寒い時期、特に冬場はガクンとクレームや返品が減ります。
その中で毎年一度はある、かなりマニアックですがサトイモの腐りについて今日はクローズアップしたいと思います。
まず、非常に分かり辛い。

こちらの写真をご覧いただきたい。
サトイモの親芋(茎が生えてる根本の部分。親芋に小芋が付き一般的には小芋を食べる)の部分だ。一部が腐っているのがお分かり頂けるだろうか。
この写真だとパッケージを開封し、腐った部分が見えるように撮影しているが、実際の現場だとこれくらいは非常に見落とし易い。
野菜の異常は五感で感じろ
これは以前読んだ「スーパーマーケット 青果の教科書」で一番心に響いた一文だ。
この一文は本当に納得がいく。見た目ですぐにわかるものや、匂いでしか分からないもの、最終的に味でわかるもの、聴くのは…まぁあれだが、このサトイモの不良は触覚で判断するのが一番わかりやすい。
袋の上からモミモミ検品をするのが一番だ。慣れると意外とすぐに判断がつくし、超実用的なのだ。モミモミ。
はなしは戻るが、上の写真で腐っているのは右上の親芋なのだ!
下の写真はズームインしたところ

スプーンでほじってみた。

腐っている部分は触ってみるとドロドロと粘りけですぐにわかる。
スプーンでほじってみると変色している腐った部分は簡単にほじれる。
ご存じない方も多いと思うが、親芋はかなり固く、たけのこくらいの固さだ。
そんな固い親芋にできた腐りトンネルをホジホジ進んでいくと、隣の穴と中でつながっていたのだ。
結局1/4くらいは腐っていた

トンネルの場所の上から真っ二つにしてみた。
この先、トンネルはまだまだ続いていそうだ。表面から見ただけではパチンコ玉程度しか変色したところは分からないが、中では500円玉くらいの腐りトンネルが続いていたのだった。
これを食べようと思ったら、腐ったところを切り取って皮を剥いて下処理すると重さは1/4くらいになってしまった。
【追記】そういえばこのあいだ、初めて親芋がめっちゃ固くて、煮ても煮ても柔らかくならなかったって返金したけど、そんなこともあるんだなぁ。
【追記】里芋の小芋はどこでも販売してますが、親芋は販売していないところも多いです。捨てていた農家の方も多いようです。直売所では安価だと結構売れます。赤ちゃんの頭ほどの大きさで150円くらいで寒いときには特に売れます。
【追記】里芋の親芋は加熱すると紫色に変色することが多いです。この変色クレームも以前ありました。