野菜と農業のニュース

あなたが買ったそのほうれん草、だれかが辛い思いをしているかもしれない理由

投稿日:2019年2月22日 更新日:

豊作貧乏極まり

2018-2019年の冬はだれに聞いても暖冬だったと答えるくらいの暖冬だった。

そして適度に雨が降り、作物にとって素晴らしい環境でのびのびと成長できた、なので葉物野菜は大豊作!そんな冬だった。

そこで本日2/22、ニャーニャーニャーで猫の日、フーフーフーでおでんの日ともいわれるがそんな日にこんなニュースを日本農業新聞で発見。

ホウレンソウ2割安 降雨、気温高で潤沢
2019年02月22日 -日本農業新聞

https://www.agrinews.co.jp/p46813.html

そう。ほうれん草がすこぶる安いのだ。
記事によるとここ5年の平均より2割安だそうだ。

さらに記事を読み進めると葉物野菜界のプリンス小松菜は、なんと3割安だそうだ!

昨日ツイッターに上げたら、あまりの安さに結構な評判を呼んだ 2月21日の奈良県中央卸売市場の市況だ。

ほうれん草 高値64 安値43円 中間値は55円程。

どこのお店でも1束98円セールが出来てしまう水準だ。

小松菜に至っては 高値54 安値32円 中間値は43円。
88円セールでも利益が出てしまう程の安値だ。

ほうれん草ってめちゃめちゃ数が売れるんです

葉物野菜の王様 ほうれん草はどのくらい凄いのか。

以前大規模なショッピングモールに入っているスーパーの青果売り場で、ほうれん草98円セールを手伝ったことがある。
次から次へと品出し補充しないといけないので掛かりっきりになった。
300束限りで1時間以内に無くなってしまった。

この時は今年に似ていて、安値が続いている状況の中での98円セールだったが、更に凄かったのは高値が続いている状況での、赤字覚悟の放出セールが凄い時があった。

台風が重なり、長い間高値が続いて野菜高騰がニュースになるくらいだった。
そんな状況で赤字覚悟の放出セールを全国展開する大手スーパーが全国野菜大放出セールをやります!と発表し、放出セールがニュースになった異常事態。

ほうれん草500点限り98円。長蛇の開店待ちの列ができた。

開店と同時にお客さんがほうれん草売り場になだれ込みもみくちゃになった。

15分くらいで500束全て完売。

改めてほうれん草の根強さを感じた。

公正な競争

現在、農家の平均年齢は高く60歳以上だ。
年金を貰いながら、息子の名前で出荷している人も少なからず存在する。

すると、お金の為に出荷するのではなく、ライフワークの為、生きがいの為の出荷になってしまう時が出てくる。

良いほうれん草を作って食べてもらって、みんな健康になって欲しい!
いいもの作ってたらお金は後からついてくるんだよ!

と、お金にこだわらずに作っている本人は満足度が高い。
深く考えずに聞くと耳障りのよいフレーズだ。

でも年金をもらっていない年代の農家にとったら大迷惑なんです。
年金暮らしのライフワーク、半分趣味で作られた野菜との価格競争

プロとしての農家は引退してもらって、作った野菜は出荷せずに家で食べるか、近所に配るくらいにして欲しいと常々思う。

市場原理は万能ではない

インターネットが普及して20年程。

新しい技術の登場で巨大な市場が生まれ、ものすごい数の会社が競争しひしめき合っている。

その世界で超巨大な力を持っているのが、Google、Apple、Facebook、Amazon の頭文字をとった「GAFA」だ。

日本でももちろん生活に深く浸透していて、無くてはならない存在だ。

しかし世界で戦えるような日本発のIT系の巨大企業は全く育っていない。

将来さらに成長していく産業なのに、現時点ではアメリカに完敗していて足元にも及んでいない。

一方、中国では国外のサービスに接続することは規制されている。そうなると中国国内の「GAFA」に置き換わるサービスが発展している。

一長一短だが、 少なくとも市場原理一辺倒だけでは国内の産業は育たない。

ほうれん草も同じで、なんでも有りで野放しの市場では若い農家が育たない

まとめ

今年のように天候がよく豊作であれば、年金農家には出荷ご遠慮いただき、過度の安売り合戦をせずに、持続性がり、良識を持った流通を心掛けてもらいたい。

そして消費者の方には大いに食べてもらい、「食べて応援」をして頂きたい。

消費には世界を動かす力があるのだ。

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野菜ジャーナリスト、野菜占い師、古物商。
その他ひょうたんの栽培加工販売、野外フェス等へのオリジナル料理「コブラ巻」の出店、顔出し看板の作成、Earth,wind & COBRAでのファンクボーカルなどなどなど精力的に活動している。